バタフライ「インナーフォースレイヤーZLC」レビュー【粒高相性やALCとの違い】

バタフライ「インナーフォースレイヤーZLC」

特殊素材入りで弾みすぎず粒高と相性の良いラケットがないかなと探していたところ、「インナーフォースレイヤーZLC」が最もマッチしていそうだったので購入してみた。

バタフライ「インナーフォースレイヤーZLC」

ブランク前の学生時代に「めちゃめちゃ高級感あるデザインでかっこいいな」と憧れつつも中々手が出せなかったラケットなので、今回満を持して使えるということで結構感動している。

試打環境

自己紹介

  • 卓球歴:3年
  • 戦型:シェークバック粒

使用用具

  • ラケット:インナーフォースレイヤーZLC
    • グリップ:FL
    • 重量:88g
  • ラバー
    • フォア面:テナジー05(特厚)
    • バック面:Grass D.TecS(0.5mm)

結論

  • 値段に見合う性能を持った、バランスが良くそつのない良ラケット
  • 「ボールを掴む」という謳い文句通りで、回転をかける技術(特にドライブ)が楽しくなる
  • 攻撃的な粒使いなら下手に弾まないラケットよりいいかも
  • ALCと比べるとやや玄人向け

使ってみた感想

攻撃技術(ドライブ・スマッシュなど)

特殊素材入りとは思えないほど球を掴む感覚があり、しっかりとドライブで弧線を描ける。厚く弾むラバーと組み合わせることで「パキュッ」という快音が聞けるので、とても気持ち良い。もちろんアウターラケットと比べるとスピードは劣るが、それでも十分にパワーのあるボールが打てる。

一方しなる感覚は無いので、スマッシュのようなミート系技術は可もなく不可もなくといった感じ。

守備技術(ブロック・カットなど)

ブロックはやややりづらく、芯を捉えれば低い弾道で返せるがそれ以外の所に当たると安定しない印象。

しかしインナーラケットということで、ブツ切りしても程よく弾んでくれるのでカットはかなり安定した。守備用の木材合板ラケットを使い「逆に弾まなすぎてやりづらい」という場合には選択肢としてありかもしれない。

サーブ・レシーブ・台上技術

ブレードサイズがそこまで大きくないこともあり、台上技術全般はやりやすく感じた。チキータやフリックもしっかりボールを掴んでコントロールできるので、変なミスをすることも少なかった。

粒高との相性

粒高ラバーとの相性は弾み具合・スポンジの厚さによりかなり変わった。

「Grass D.TecSのようなラバーとだと弾みすぎるのでは」と思ったが、自分の場合はOXに近いスポンジの厚さだったためプッシュやブロック系の技術は(やや浮くものの)しっかりコートに収まってくれる。じゃじゃ馬になって制御不能になると思っていたのでここは意外な結果だった。

とはいえ粒高特有の変化やブロックは出しづらいので、自分のように粒をフォアのための繋ぎメインに使う選手以外にはおすすめできないかなと。

ALCとの比較

同シリーズの「インナーフォースレイヤーALC」も以前に試打したことがあるので比較してみると、ZLCはALCよりも少しだけ弾むもののその分操作性がやや下がるように感じた。なのでこの辺りは自分のパワーやプレースタイルに応じて決めるのが吉な気がする。

ALCは軽く当てた時はそこまで飛ばない印象だったが、思いっきり振った時はしっかり飛んでくれるので安定性が非常にある。

一方打球感に関してはZLCの方がやや柔らかめで、ループ気味のドライブはこちらの方がやりやすい。